お役立ちコラムCOLUMN

2019.06.17 シロアリ

シロアリ駆除の薬剤を解説【過去から現在まで】

薬剤のイメージ

シロアリ駆除には薬剤を使用します。薬剤と聞くと、”安全性” や ”臭い” などのネガティブな部分がクローズアップされがちです。

シロアリ駆除薬剤の歴史を遡ると、環境問題などとともに歩んできた過去があります。最近では安全性の非常に高い薬剤が使用されており、超低臭性で臭いのほとんどない、施工者にも入居者にも害の無いものが当たり前となっていますが、実際の所それでも不安に感じてしまうかも知れません。今回はそんなシロアリ駆除を行う際の薬剤の歴史について遡っていくとともに、その安全性について、現在の薬剤のことを交えてみていきましょう。
 

 

昔の薬剤は「有機塩素系」

「昔のシロアリ駆除は臭いがキツかった」昔のシロアリ駆除を経験されている方からこんなことを言われます。昔のシロアリ駆除の薬剤は確かに臭いのきつい薬剤を使用していました。今から遡ること60年以上前の1950年代。そのころは「クロルデン」に代表される有機塩素系薬剤の全盛期でした。有機塩素系薬剤の効果は絶大で、分解されにくく半永久的に効果があるためシロアリ駆除薬剤として重宝されてきました。しかしその反面、臭いがきつく施工中はお家から退避してもらうこともありました。そんな有機塩素系薬剤は、分解されにくい事による土壌汚染や蓄積性の高さから1986年に「第1種特定化学物質」に指定され、シロアリ駆除薬剤として使用されなくなりました。

代表的な有機塩素系薬剤

クロルデン、エンドリン、ヘプタクロル、デルドリン

 

「有機リン系薬剤」が取って代わった時代

クロルデンに代表される有機塩素系薬剤が禁止された後に登場したのが「ホキシム」「クロルピリホス」に代表される「有機リン系薬剤」です。有機リン系薬剤は、一般的に殺虫力が高く分解しやすいことから”農薬”としてはリスクの低いものでした。しかしシックハウス症候群が問題視されたことにより、2000年に(公社)日本しろあり対策協会が自主規制を開始しました。そしてそれを追うかのように2003年に建築基準法の改正によって有機リン系薬剤の使用が禁止されました。

代表的な有機リン系薬剤

クロルヒリポス、ホキシム

 

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは、化学物質による空気汚染等が原因で「吐き気」「頭痛」「喉の痛み」等の健康への悪影響が起こった状態のことを指します。現状では他にも様々な原因が考えられており、シックハウス症候群には解明されていない部分が多いのが現状です。
 

現在は、より安全志向の薬剤に

シックハウス症候群の原因となっていたのは、薬剤が揮発することによる室内の空気汚染が原因でした。そのため現在使われる業務用のシロアリ駆除用薬剤は、揮発成分のほぼ無い薬剤が使われており非常に安全性が高くなっています。

 

現在普及している業務用シロアリ駆除薬剤

「ネオニコチノイド系薬剤」

薬剤量が少なくて済み、残効性(効果の保持期間)が比較的長いため、現在もっとも普及しているのがこのネオニコチノイド系薬剤です。一般的に低臭性で臭いがほとんど無く、”イミダクロプリド”や”クロチアニジン”などが、ネオニコチノイド系薬剤に分類されます。タバコに含まれるニコチンの殺虫成分を元に合成された薬剤で、昆虫に対して選択的に殺虫効果を発揮するため、人を始めとした哺乳類には安全性が非常に高い薬剤のひとつです。
また、ネオニコチノイド系薬剤は飽和蒸気圧が非常に低い薬剤のため、空気中への揮発がほとんどありません。テオリアハウスクリニックではクロチアニジンをマイクロカプセル化した安全性が非常に高いものを使用しています。

代表的なネオニコチノイド系薬剤

クロチアニジン、アセタミプリド、チアメトキサム、イミダクロプリド、ジノテフラン

 

「合成ピレスロイド系薬剤」

除虫菊から抽出される”ピレトリン”を化学合成したものがこのピレスロイド系薬剤です。
ピレスロイド系薬剤は即効性があるのが特徴です。”ビフェントリン”や”ペルメトリン”などが分類されます。低温のときに効果が大きくでるため、体温の低い昆虫に対して選択的に効果を発揮し人体に対しての作用は極めて弱いため、こちらも安全性の高い薬剤です。
実は家庭用殺虫剤や、蚊取り線香の大半はこのピレスロイド系の薬剤が使われています。

代表的なピレスロイド系薬剤

ピレトリン、ペルメトリン、ビフェントリン、シフェノトリン

 

「カーバメート系薬剤」

現在ではほとんど使用されていない薬剤です。フェノブカルブに代表されますが、シックハウスの恐れがあるため屋内での使用は注意が必要です。

代表的なカーバメート系薬剤

フェノブカルブ

 

「フェニルピラゾール系薬剤」

最近では市販の家庭用殺虫剤にも使用されることがある薬剤です。フィプロニルと呼ばれる薬剤が最も有名です。忌避性(シロアリが気付かない)がなく緩やかに作用するため高い伝播性(シロアリから他のシロアリに効果が伝わる性質)があります。また、他の薬剤に比べ有効成分の使用量が非常に少ないのが特徴です。テオリアハウスクリニックで使用するフェニルピラゾール系薬剤はマイクロカプセル化した安全性の高いものを使用しています。

代表的なフェニルピラゾール系薬剤

フィプロニル、ピリプロール

 

「ホウ素系薬剤」

「ホウ酸塩」で聞き馴染みがあると思います。ホウ酸は防腐剤として使用され、目薬の防腐剤として使用されているほどの安全性の高い薬剤です。ただし急性毒性はクロチアニジン(ネオニコチノイド系薬剤)より高く、必ずしも他の薬剤よりも安全という訳ではありません。また、防腐剤ですので、木材に対する防腐効果も期待できます。しかし、水に対して溶脱するため、雨などで濡れてしまうと流れてしまう欠点があります。シロアリに対しては、他の薬剤と違い、食毒性(ホウ酸塩を食べることで効果が出る)のため、処理した表面を歩き回るだけでは効果はありません。特徴から、水分が溜まらない箇所への木材防腐剤としての使用が適しています。

 

「アントラニリックジアミド系薬剤」

新規の低リスク薬剤です。忌避性がなく遅効性で優れた残効性を示すため、高い伝播効果があります。
ミツバチなどの有用昆虫やほ乳類、魚類、鳥類などに対しても高い安全性が確認されています。
クロラントラニリプロールを有効成分としたシロアリ薬剤は、唯一米国環境保護庁(EPA)の低リスク殺虫剤(RRP)に指定されています。

代表的なアントラニリックジアミド系薬剤

クロラントラニリプロール

 

「IGR剤(脱皮阻害剤)」

ベイト工法というシロアリ防除施工の際に使用される薬剤です。他の薬剤と異なり、脱皮を阻害することでシロアリを駆除する薬剤です。通常、シロアリが好む基材にIGR剤を含有させ、それをシロアリが食べることで効果を発揮します。脱皮をしない哺乳類や鳥類、魚類などに対して非常に安全性の高い成分です。遅効性のためベイト剤を直接食べていない個体にも伝播していきます。

代表的なIGR剤

クロルフルアズロン、ノバフルムロン

 

シロアリ駆除剤が安全な理由

「シロアリ駆除剤は安全ですか?」確かにシロアリ駆除の際に気になることと言えば安全性についてでしょう。この質問の答えは“イエス”でもあり“ノー”でもあります。用法、用量を守って正しく使用しますので「安全です」と言うことはできます。ただ、残念ながら世の中には“絶対安全”ということはありえません。極端な例えですが、飛行機に乗ることも危険ですし、お風呂に入ることも危険です。シロアリ駆除剤に関しても”シロアリを殺す殺虫剤”ですから、毒性がゼロではありません。その安全性は、あくまでも“用法・用量”によるのです。

 

公益社団法人日本しろあり対策協会の活動と認定

国土交通省の管轄のもと「公益社団法人 日本しろあり対策協会」という団体が組織されています。協会では主に、

・しろあり防除施工標準仕様書の制定
・安全管理基準
・防除薬剤の認定登録
・しろあり防除施工士の認定登録

 
を行っています。簡単に言うと「誰が、何を使って、どのように施工するか」を定めているのです。シロアリ駆除工事を頼む場合は、以上のポイントを必ず確認するようにしましょう。

公的にはこれ以上の制度はありませんので、協会の定めに沿って実施するシロアリ駆除工事は最低限の安全は確保されていると言えるのです。できる限り正確な情報と事実をもとに判断しましょう。

 

シロアリ駆除で健康が損なわれないために

現在のシロアリ駆除剤は蒸気圧が著しく低く、空気を汚す恐れはほとんどありません。また、床下に散布する施工方法となるため、室内への薬剤の飛散の心配もありません。ですから、普段私たちが室内で使用している「蚊取り線香」や「くん煙剤」、「殺虫スプレー」などの市販殺虫剤よりも安全と捉えることもできるでしょう。更に、シックハウス症候群の影響があった薬剤も今では使用されなくなりました。

それでも、薬剤に不安に思われる場合もあるかと思います。実は、シロアリ駆除薬剤よりもアレルギーの原因となる可能性が高いものがあります。それは床下のカビ胞子やホコリなどのアレルゲンが空気中に舞ったことによる反応です。シロアリ駆除をおこなう際は、床下の点検口から入りますので、入り口の養生が不適切だと、施工中や施工後に空気の流れでカビ胞子などが一時的に室内中に漂うことになります。シロアリ駆除薬剤の選び方も重要ですが、実際に施工を行うシロアリ駆除業者の養生対策などの品質についても詳しく調べてからお願いすることも大切です。

 

シロアリ専用サイト

CATEGORY

ARCHIVES

LATEST

シロアリ専用サイト

シロアリの駆除・予防のご相談はこちら

お見積・ご相談は無料

通話料無料対応エリア東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城
受付時間平日8:30〜17:30