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2017.05.10 シロアリ対策

シロアリについて|シロアリの生態や特徴


 

シロアリは現代においては、家を食い荒らす「害虫」として知られています。しかし、シロアリが自然界で果たしている役割は極めて重要です。また、シロアリという言葉は知っていても、実際にシロアリが生きているところを見たことをある人は少ないのではないでしょうか。はたしてシロアリは、自然界でどんな役割をしているのか。どこに生息しているのか。なぜ建物の害虫になってしまったのか。そのような背景を知ることからシロアリの防除が始まります。
 

この記事ではシロアリについてどんな虫なのか、シロアリ被害の実態などをまとめてみました。シロアリの基礎的な知識やその対策について見ていきましょう。

 

 


シロアリは益虫?


 

シロアリは建築物や樹木、農作物などを加害する害虫として知られていますが、世界中に生息している約2600種のシロアリのうち、建築物などを加害するものは約100種にすぎません。
他の多くは森林地帯に生息し、枯れた樹木や落ち葉を食物とし、物質循環に大きな役割を果たしています。

 

シロアリ

 

特に熱帯域では地中に網の目のように作られるトンネルが水分や通気など土壌条件の改良に非常に重要な働きをしており、地球環境という視点に立てば、なくてはならない益虫なのです。

 


シロアリはゴキブリの仲間?


 

シロアリ(白蟻)はクロアリ(黒蟻)と外見が似ており、社会生活をするという点でもよく似ています。
しかし分類学上はゴキブリ目に属し、ゴキブリの仲間なのです。シロアリは約3億年前から地球上に生息しておりほとんど進化していません。クロアリはハチ目に属し、ハチの仲間です。共通点の多い昆虫ですが、実は全く異なる昆虫です。

 

豆知識

シロアリと黒アリにも実は意外な関係性があります。それは、「天敵」であるということです。黒アリはシロアリを捕食し、シロアリは黒アリに捕食される関係にあります。被害現場でシロアリの被害材に黒アリが紛れ込んでいることがありますが、これは紛れもなくシロアリを捕食しに来ている黒アリなのです。

 


日本に生息するシロアリ


 

日本には22種類のシロアリが生息しています。そのうち、建築物に被害をもたらすのは、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリの4種です。

 

ヤマトシロアリ イエシロアリ アメリカカンザイシロアリ
ヤマトシロアリ イエシロアリ アメリカカンザイシロアリ

 

ヤマトシロアリは北海道の旭川以南に、イエシロアリは千葉県以南の太平洋沿岸に、ダイコクシロアリは奄美大島以南にそれぞれ分布しています。アメリカカンザイシロアリはもともと北米の輸入家具などから日本に定着したと考えられており、現在全国に点々と分布しています。シロアリの生息域を下に図示します。
 

シロアリの生息域

 
関東地方では全域にヤマトシロアリが生息し、千葉、神奈川の沿岸沿いにイエシロアリが生息します。また、局地的にアメリカカンザイシロアリが生息しています。

 


シロアリの家族


 

シロアリは数万から数百万頭の単位でコロニー(巣)を形成し、女王アリと王アリを中心とした高度な社会生活を営んでいます。役割分担に応じた形態があり、これを階級と呼び、以下の階級があります。
 

シロアリの階級

 

【女王・王】一つの巣に1頭ずつおり、生殖活動に専念します
【副生殖虫】女王・王が死亡したときに代わりとなります
【ニンフ 】新しい巣をつくるために羽アリとなって飛び立つ前の段階です
【兵蟻  】全体の約3%ほどで、外敵と戦ったり偵察、仲間の護衛をします
【職蟻  】コロニーの90%以上を占め、エサの採取、卵・幼虫の世話、巣の構築などをこなします

 

幼虫の段階ではすべてが同じですが、女王・王の分泌するフェロモンによってどの階級に分化するかが決まります。コロニーがある程度大きくなるとニンフが増え、その後ニンフは羽アリとなり外部に一斉に飛び立ちます。
 
通常、シロアリが人の目に触れるのはこのときだけで、シロアリ被害のある家屋では浴室や洗面所、玄関などから大量に発生します。
 

羽アリは数十から多いと数千頭も短時間で一気に発生します。そのためその数の多さから羽アリが出切ったらシロアリが居なくなると誤解されてしまいがちですが、羽アリは一つのコロニー(巣)の僅か数%に過ぎません。巣の中にはまだ大多数のシロアリが活動しているのです。
 

ヤマトシロアリの羽アリ発生条件 (関東地方)

・4月中旬~5月下旬
・雨上がりである
・気温が高く蒸し暑い
・無風、もしくはほとんど風が無い
・上記の条件が整った午前中である

 

例年、上記の条件が整った日に群飛の報告が多くなります。飛び出した羽アリは地面に落ちると自ら羽を切り落とします。そして雌の誘引フェロモンで寄ってきた雄とつがいになり、地中や朽木に新しい巣を作ります。

 


シロアリと黒アリ。羽アリの見分け方


 
シロアリも黒アリもどちらも羽アリを飛ばします。そのため、その羽アリがシロアリなのか黒アリなのかを見分ける必要があります。一番簡単な見分け方は、「羽の形状」です。シロアリは4枚の羽がすべて同じ長さです。対して黒アリは前羽よりも後羽がかなり小さく、揃っていません。

 
また、胴体の形状も良く見ると違いがあります。シロアリの胴体は、頭部から胸部、腹部まで寸胴でくびれがほとんどありません。黒アリの胴体は、頭部、胸部、腹部の間が極端にくびれています。
 

シロアリ クロアリの仲間
画像  シロアリの羽アリ クロアリの羽アリ
発生時期の目安 ヤマトシロアリ:4月中旬~5月
イエシロアリ:6月~7月
5月~11月に複数の種類が入れ替わりに発生
胴体 くびれがない くびれがあり、頭部・胸部・腹部に分かれる
翅の形 前後の翅の大きさがほとんど同じ 頭に近いほうの翅が長く、お尻に近い翅は短い
その他 翅が取れやすい 翅は引っぱらないと取れない

※種類によって、発生時期・体形に違いがあります。
 


シロアリの巣


 

シロアリの巣は様々で、地中に大きな巣をつくるものもいれば木の上につくるものもいます。外国には地上3mもある蟻塚をつくるものもいます。巣は土に排泄物などを混ぜ合わせて作ります。巣から餌場までは蟻道(ぎどう)というトンネルの道をつくりますが、それも同じ材料を使います。

 

ヤマトシロアリの巣

数千から十数万頭のコロニーを形成します。加害部分が直接コロニー(巣)となっていることが多く、特別に加工した巣は作りません。個体の分化能力が非常に優れており、数十頭からでもコロニーが再生すると言われており、駆除は注意深く行う必要があります。

 

イエシロアリの巣

最大で百万頭ものコロニーを形成します。土中に特別に加工した塊状の巣を作り、そこから蟻道を伸ばして家屋などを加害します。行動範囲は100mとも言われ、分巣(本巣とは別の場所につくる巣)を家屋内につくることもあります。

 

アメリカカンザイシロアリの巣

木材内に生息します。最大数千頭のコロニーとなりますが、数十から数百頭のコロニーがほとんどです。上記2種と違い、乾燥した木材に直接穴を開けてその中に巣をつくります。

 


シロアリの食事


 
シロアリは木材の主成分であるセルロースを栄養としています。他の木材加害害虫(ヒラタキクイムシなど)はセルロースを栄養源とすることは出来ず、木材内のデンプンなどの利用しやすい糖類のみを利用します。シロアリがセルロースを分解・利用できるのは、後腸内に原生動物が共存しているためで、これが最終的な分解を助けています。
 
また、セルロースを利用できるため、木材が原料である、本や新聞紙、ダンボールも食害することがあります。
 
木材のシロアリ被害 本のシロアリ被害
 
シロアリは目が退化しているため、エサの発見はフェロモンなどの誘引物質や木材に含まれる抗シロアリ性成分が影響します。とくに、腐朽した木材からはシロアリの道しるべフェロモンが見つかっており、腐朽した木材に誘引されることが知られています。
 


建築物への加害


 

シロアリは土の中などにコロニーをつくり、そこに数万から数百万のファミリーが暮らしています。シロアリは、そのコロニーと建物の土台や柱などを行き来してご馳走となる木の柔らかい部分を食害していきます。木材の表面を残して食べ進んでいくため、発見されにくいのが被害を大きくする要因のひとつです。シロアリ被害を最小限で食い止めるためには、早期発見がポイントです。
 

シロアリの侵入経路

 
人間にとって大切な財産である住宅もシロアリには食料でしかありません。また、建物の構造によってシロアリ被害の受け方にも差があります。
 

木造(在来工法)

布基礎や束柱に蟻道を構築し、土台から壁体内、または束柱から大引・根太・床板へと食害範囲を拡げていきます。ヤマトシロアリの場合でも、雨漏れ、漏水など水分の補給があれば、2階以上にも到達します。

 
木造床下のシロアリ被害

 

2×4(枠組壁工法)

布基礎に土台を構築し、土台から側根太、下枠などに食害範囲を拡げていきます。ツーバイ材の合せ目に蟻道が作られやすく、被害が垂直方向に拡がる特徴があります。

 
ツーバイフォー住宅のシロアリ被害
 

鉄骨造

主要構造材はシロアリの食害は受けません。しかし、床を組む束柱、大引、根太などは木材が使用されることが多いです。そのため床組の食害にはじまり、内装材である幅木、上り框、敷居、フローリングなど、水平方向への被害の拡がりがみられます。

 
鉄骨造の被害
 
※在来浴室(タイル風呂)の壁下地材や窓枠、ドア枠、敷居、また玄関のドア枠や上り框等は特に被害を受けやすい箇所であるため注意が必要です。
 


シロアリと共存するためにできること


 

シロアリは地中のどこにでもいる昆虫です。その上に家を建てて生活している人間として、シロアリが我が家に入ってこないように対策を講じることが必要です。シロアリに対して無防備な状態では、いつ建物内に侵入されて食害を受けてしまうかは分かりません。
 
現在、新築時には何かしら防蟻対策をおこない、あらかじめシロアリが建物に入ってこられない対策を講じることが必須になっています。しかし、新築から5年が経過すると、新築時の防蟻処理薬剤の効果は消失してしまいます。その状態のまま放置してシロアリに無防備な状態を作っている家屋が日本にはまだ非常に多いのではないでしょうか。
 

5年毎の調査とメンテナンスを

シロアリから家を守るため、また不用意なシロアリの侵入をさせないために、5年を目安とした防蟻メンテナンス(シロアリ予防工事)が大切です。我が家はまだシロアリの対策をしていなかったかも…?という方、一度シロアリの被害の有無をチェックされてみても良いかもしれません。シロアリ被害は早期発見が非常に大切です。

 
床がふかふかする…。羽アリが出てしまった…!ということになる前に、「何もない今の状態だからこそ。」というのが大切な考え方ではないでしょうか。
 
記事:木村(テオリアハウスクリニック)
 

 
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